理事会からメッセージ
2013/09/03
 
第5回 新生会とボランティア活動
*聖公会神学院・フィールドワークエヂュケーションプログラム
 私は1974年に新生会に大きな希望を持って就職いたしました。その前年より新生会では、聖公会神学院に学ぶ牧師候補生のフィールドワークエヂュケーションのフィールドを担っていました。1974年夏には3人の神学生が新生会で3週間のフィールドワークの実習を行っておりました。その中の一人であった杉山修一神学生(現在、大阪のプール女学院・学院長)は、その間に新生会の居住者や職員と熱い魂の交わりを経験しました。実習後もその思いを断ちがたく、ボランティアグループを立ち上げたのです。最初は「人間の学校」として、そして後に「VAC」(ボランティアアッセンブリーキャンプ)として組織化し、新生会をフィールドとして、夏と冬、年に2回、ボランティアワークを行いました。「VAC」は、杉山氏の意志もあり、20年をもって解散となりました。しかし、新生会に播かれたボランティアスピリットは、様々な団体によって現在まで継承されています。

*2013年 夏
 今年の夏も立教女学院中学校の2泊3日のボランティアワークを皮切りに2カ月にわたって毎週、立教関係、玉川聖学院、関東キリスト教学校同盟、東京医科歯科大学、地元の共愛学園、新島学園、千葉の城西国際大学など、そして9月2日から8日まで、同志社女子大学宗教部のワークキャンプと、多彩なグループが新生会に集まりました。彼らは新生会で何を学ぶのでしょうか? 一言で言えば「魂と魂の触れ合いそして響き合うこと」だと思います。新生会では朝礼のとき、訪れたボランティア各人に、自己紹介と感想を述べてもらっています。たとえ3日という短い滞在でも一人ひとりが魂に響く体験を出来たということは一人ひとりの表情を通して分かります。彼らは学校では決して体験できないことを経験し、自分自身に成長の手応えを感じています。

*一人ひとりの力
 私は多くの若者たちとの出会いを通し、一人ひとりが良き賜物を与えられているにも関わらず、形式と数値に偏った教育の影響で自分自身の「良き賜物」を見失っていることを感じています。新生会でのボランティアワークからの最大の贈り物は、ほとんど全員がボランティアワークを通して自分の「良き賜物」を発見することです。ですから帰る時の表情は自信に充ち溢れています。
 私はそんな彼らに出合うと、彼らが一人ひとりの個性を十分用いて成長して行ってほしいと熱いエールを送りたくなります。(実際送っているのですが)。一人ひとりが自分の賜物を用いて、社会貢献をして行ってくれるならば、社会には活気が戻り、笑顔も増えるでしょう。
 新生会はこれからも「良心の充満したる丈夫の出で来らんことを」(新島 襄)をモットウにボランティアワークのフィールドとして充実を図って行きたいと決意をあらたにしています。