理事会からメッセージ
2013/04/08
 
第1回 深化する新生会
* 新しい言葉
 日本に住む一人ひとりに根源的な反省を迫った東日本大震災から丸2年が経ちました。あれ以来、余りの驚きとショックで、私は言葉を失い、精神の動きも沈没してしまったかのようでした。ようやく立ち直り始めたのが2012年も終わろうとしている頃でした。というのも2012年に私にとってはかけがえのない身内や友人たちが次々天に召されてゆきました。私の喪失感は一層深まりましたが、「私は生き続けなければならない」と思いつづけました。去って逝った一人ひとりは全員(everybody)、天国から迎えがくる瞬間まで各々の人生を自然体で創造的に生活していました。それを思った時、私もいつ天に召されるか分からないけど、彼らの力もいただいて、未来のために生き続けようと思いました。また
「3・11」という文明の大転換点に遭遇した私たちには、新しい言葉(価値観)を創造して行くという責任があるとも考えました。ようやく動き始めた私の精神は、地球上に住む一人ひとりが生き生きと創造的に生活できる社会環境を創出することだと呟いていました。

* 生き生きと創造的に
 近代とは科学文明の進化と進歩の時代です。科学文明にとっぷり浸かって生活している私たちはその便利さゆえに人間性を貧しくしてまで科学の恩恵を優先するようになりました。その結果、人間として生き生きと創造的に生き、生活することの本当の快感を失ってしまいました。恐るべきことは、それが当り前な情況になってしまったことです。生き生きと創造的に生きることの喜び(ときめき)を取り戻すために、私たちが始めなければならないことは何でありましょうか?それはそれほど難しいことではありません。私たち一人一人の小さな心掛けから始まるのだと思います。

* C・S・C (Care・Share・Culture)
 私たちの「生き生き」も「生きる喜び」もその多くは人間関係の中に生まれます。人間は他者との出会い、交流、対話などを通して成長してゆく者です。そこから他者を大切にする心が育まれます。それが「育み合う」(Culture)であり、「支え合う」(Care)です。そして現在、市場原理主義の世の中で失われてしまったこと、それは「分かち合う」ことです。ここに共通する言葉は「合」です。「合」は「こたえる意の語源(酬)、相手にこたえる意から、あわせる意になり、また答の字ができて、合はあわせる意の専用字となった」(角川中漢和辞典)とあります。
 新生会は2013年、新たなる踏み出しの年となりました。その理念は、「C・S・C」です・C・S・Cコミュニティとして、新生会から生き生きと創造的な「ときめき」を発信してゆきます。このコーナーは月1回の更新です。ご意見もお寄せください。お待ちしております。(2013年4月)

 
 
   次へ>>